大判カメラの写真家の作品を模倣せよ。
そんな大学の課題を攻略するため、鈴木理策の生誕の地、熊野を訪れた。
鈴木理策は写真からできるだけ作為的なものを取り除こうと、山に入って自然を五感で知覚し、ここだと思った場所に大判カメラを置き、ろくに絵作りもせず、最初に目に映った場所にピントを合わせて撮るそうだ。
一見テキトーにとっているように見せかけて、まるで印象派の絵画のような美しい写真の世界を見せてくれる。
理策理論ではそれが実際に目に写ったときの印象を捉えた写真なのだそうだ。
そんな理策流の撮影方法を獲得しようと、取り敢えず最初に目に写ったところにピントを合わせて撮ってみたが、ただのどこにピントがあるのかわからない写真をたくさん撮ってしまった。
結局のところ理策のような写真を撮るには、そもそも理策のような美意識をもたなければいけないようだ。
絵画や芸術に精通している鈴木理策だから撮れる世界。それは、簡単に模倣できるものではないのだ。
そんなわけで理策になることを諦め、結局別の写真家の模倣作品を課題に提出することになった西浦でした。
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